平成23年度 市民プロムナードコンサートオペラの魅力~ガラ・コンサート

フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲

フンパーディンクは1854年ドイツ・ラインラントのジークブルク生まれ。
1872年にケルン音楽院に入学。1876年に奨学金を得てミュンヘンへ。1879年にベルリンよりメンデルスゾーン基金を得てイタリアに行き、ナポリでリヒャルト・ワーグナーの信頼を得ます。
1887年にケルンに戻り、1890年にフランクフルト・ホーホ音楽院の教授に就任、シュトックハウゼン声楽塾の和声法の教師も務めました。
この頃までに、フンパーディンクの合唱曲や管弦楽曲が流行りました。

『ヘンゼルとグレーテル』は、ドイツの作曲家エンゲルベルト・フンパーディンクの作曲した全3幕のオペラです。
原作は有名なグリム童話『ヘンゼルとグレーテル』で、台本は作曲者の妹であるアーデルハイト・ヴェッテ。はからずも題材と同じ兄妹コンビとなったのでした。
1891年から1892年にかけて作曲され、1893年12月23日に初演。フンパーディンクの代表作となっています。

ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲

ジョアキーノ・ロッシーニは1868年生まれのイタリアの作曲家。『セビリアの理髪師』や『ウィリアム・テル』などのオペラ作曲家として最もよく知られていますが、宗教曲や室内楽曲なども手がけています。
生涯に39のオペラを作曲、イタリア・オペラの作曲家の中で最も人気のある作曲家でした。

歌劇『ウィリアム・テル』は、フリードリヒ・フォン・シラーが1804年に書いた戯曲『ヴィルヘルム・テル』を元に、1829年に作曲されました。
序曲は演奏会で単独で演奏されたり、またテレビ番組でも頻繁に使われるなど、なじみのクラシック楽曲のひとつとして親しまれています。

五つの独奏チェロとコントラバス、そしてティンパニだけで演奏される「夜明け」から始まり、全合奏で強風から暴風雨に至る様子が描写される「嵐」が襲う。
嵐の後の静けさからイングリッシュ・ホルンとフルートによるのどかな笛の音が聞こえてくる「静寂」が訪れると、やがてトランペット、ホルン、ティンパニによるファンファーレに導かれて始まる「スイス軍の行進(終曲)」がやってきて次第に高揚し、盛大なクライマックスで締めくくられます。

サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」より バッカナール

サン=サーンスは1835年生まれのフランスの作曲家。組曲『動物の謝肉祭』、交響曲第3番『オルガン付き』、交響詩『死の舞踏』などが特に有名です。
モーツァルトと並び称される神童タイプでm2歳でピアノを弾き、3歳で作曲をしたと言われています。また、10歳でバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンたちの作品の演奏会を開き、16歳ではじめて交響曲を書きました。
1848年に13歳でパリ音楽院に入学して作曲とオルガンを学びます。作曲家兼オルガニストとして活躍する一方で、1871年にはフランス音楽普及のために、フランク、フォーレらとともにフランス国民音楽協会の設立に尽力しました。

『サムソンとデリラ』はサン=サーンスが作曲した13曲のオペラのひとつ。3幕からなるオペラで、旧約聖書「士師記」第13章から第16章のサムソンの物語に基づき、ペリシテ軍がサムソン率いるヘブライを強襲、手中に収めるものの、神の能力を持ったサムソンに復讐され共に滅びるという内容です。
「バッカナール」は酒の神バッカスを讃える祭りのことで、オペラでは第3幕、ペリシテがサムソン率いるヘブライに勝利を収め、タゴン神殿で美酒に酔う場面を描いた、にぎやかな音楽となっています。。

ビゼー:歌劇「カルメン」

ジョルジュ・ビゼーは1838年、フランス・パリに生まれました。父は声楽教師、母はピアニストで、幼い頃から音楽に親しみ、9歳でパリ音楽院に入学。ピアノ、ソルフェージュ、オルガンなどで一等賞を獲得しました。
歌劇などの劇音楽を作曲の中心とし、25歳のときの歌劇『真珠採り』でオペラ作曲家の地位を確立します。その後フランスの作家ドーデの劇『アルルの女』の付随音楽などを作曲しました。

オペラ『カルメン』は、プロスペル・メリメの小説『カルメン』を基にしたもので、音楽(歌)の間を台詞でつないでいくオペラ・コミック様式で書かれています。
全4幕からなり、投獄されてきたカルメンに一目惚れした看守ドン・ホセが彼女を逃します。その後ホセは婚約を破棄してまでカルメンに付きまとうものの、新しい彼氏ができたと邪険にされ、逆恨みからカルメンを刺殺してしまうという内容になっています。
組曲で演奏されることが多いですが、今回はオペラから抜粋してお送りします。

  1. 前奏曲(組曲 No.5 Toreadores~組曲 No.1 Prelude)
  2. ハバネラ
  3. セギディーリャ
  4. 第2幕の間奏曲―アルカラの竜騎兵(組曲 No.4 Les dracones d'Alcala)
  5. 花の歌
  6. 第3幕の間奏曲(組曲 No.3 Intermezzo)
  7. ミカエラのアリア
  8. 第4幕の間奏曲―アラゴネーズ(組曲 No.2 Aragoneise)
  9. 終曲
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