第28回 定期演奏会

デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」

年老いた魔法使いは呪術の練習をしていたが、弟子に水汲みの雑用を言い渡し、工房を留守に。
弟子は初めこそ命令に取り組むものの、次第にその仕事に飽きてしまいます。

見よう見まねの魔法を試してみると、ホウキが動き出し、代わりに水汲みをさせることに成功♪
しかし停止の魔法がわからず、次第に水が溢れ出してしまう始末…。

仕方なく弟子は斧でホウキを粉々に打ち砕きますが、今度は打ち砕かれたホウキが水汲みを始めてしまいます。あたり一面は水浸しの大惨事!!

もはや洪水のような状況に弟子が耐えかねて叫んだその時、魔法使いの姿が!
すぐに呪文を唱えると、とたんにホウキは動きを止め、水もあっという間に引いていき、元の静けさが再びやってくるのでした。

28th定期パンフレット交響詩「魔法使いの弟子」はフランスの作曲家ポール・デュカスが1897年に作曲した管弦楽曲です。
ドイツの詩人ゲーテがサモキタのルキアノスの詩『嘘を好む人たち』に基づいて書き上げたバラード『魔法使いの弟子』を原点としています。

デュカスは生前、作曲したほとんどの楽曲を破棄してしまい、現在残されているのは13曲のみとなっています。
その中でもこの曲は、ディズニー映画『ファンタジア』の題材として取り上げられるなど、最も有名な曲として知られています。

厳かな雰囲気を表す冒頭と終結部の静けさ、ファゴットが奏でるリズミカルな呪文のメロディ、ホウキの暴走を表す全管弦楽の大合奏など、全編を通してその情景が目の前に浮かんでくるような音楽をお楽しみください。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18

セルゲイ・ラフマニノフは1873年にロシアで生まれた作曲家、ピアニスト、指揮者です。

4歳の時に母親から最初のピアノの手ほどきを受け、ペテルブルグ音楽院の幼年クラスに奨学金を得て入学、12歳でモスクワ音楽院に転入。
1891年同音楽院ピアノ科、1892年同院作曲科の卒業後は交響曲やピアノ協奏曲など、数々の曲を生み出すにとどまらず、自らピアノを演奏したり指揮をしたりするなどの活動にも力を注ぎました。

ピアノ協奏曲第2番は、ノイローゼ症状に悩んでいた1899年頃に精神科医からの助言を受けて取組み、1901年に完成させたものです。
印象的なメロディ、ピアノの超絶技巧など聴きどころも多いこの曲は、演奏会で頻繁に取り上げられる他、映画音楽にも採用されるなど、ラフマニノフの楽曲の中でも最も有名な曲の一つです。

今回ソリストとしてお迎えした仲田みずほさんは、東京音楽大学大学院在学中というとてもフレッシュな逸材です。
鍵盤を縦横無尽に動き回り、飛び跳ねんばかりのパワフルさを見せながら、次の瞬間にはしっとりと静かな哀愁を聴かせてくれます。
そんな彼女の豊かな音楽性とオーケストラの響きの融合をご堪能いただければ幸いです。

第1楽章:Moderato
自由なソナタ形式。独奏ピアノがゆっくりとした和音を次第に大きくしながら打ち鳴らす、印象的な冒頭部分から始まる。
情熱的な第1主題が弦楽器で、憧れに満ちた第2主題が木管楽器によって奏でられる合間を、ピアノの独奏が超絶技巧を駆使しながら流れ、飛び跳ねていく。
第2楽章:Adagio sostenuto
低弦楽器の静かな序奏に、ピアノの伴奏音型が流れるように続いていく。フルートやクラリネットのソロとも溶け合って甘美なメロディを醸し出す。
カデンツァのあと、冒頭の旋律が再び登場し、最後はピアノの独奏で静かに終わりを告げる。
第3楽章:Allegro scherzando
前楽章の静けさを受け継ぎつつも弾むようなリズムで始まる。ここでも独奏が華麗なカデンツァを奏でて聴く人を魅了する。
途中ゆったりとたゆたうようなメロディをはさみながらもリズミカルな旋律が次第に盛り上がり、最後のクライマックスに向かっていく。

フランク:交響曲ニ短調

フランクは1822年ベルギー生まれ。主にフランスで活動した作曲家・オルガニストです。
幼少からピアノの才能を示し、ベルギーの音楽院を卒業後は家族でパリに移住、パリ音楽院に進み、作曲やピアノ、オルガンなどを学びました。ピアノ教師や協会オルガニストとして活躍する中、作曲家としてはオラトリオなど宗教音楽を中心に取り組んでいます。
1871年、サン=サーンスやフォーレらと共にフランス国民音楽協会の設立に加わり、翌年にはパリ音楽院の教授に迎えられました。最晩年の1885年頃からはようやく宗教曲以外の作曲も手がけ始め、次々と名曲を産み出しにわかに注目されるようになります。

今回演奏する交響曲ニ短調はフランクが作曲した唯一の交響曲です。
交響曲という名にふさわしい楽曲を先生に作曲していただきたい」という弟子たちからの要望によって作られたこの曲は、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付」の成功に刺激を受けて意欲をかきたてられたフランクが2年もの歳月で書き上げた、彼自身最後の管弦楽作品であり、また、フランスにおけるこのジャンルを代表するものとなっています。

循環形式による交響曲で、主要主題が全楽章に現われてきます。
交響曲は通常4つの楽章から構成されますが、この曲は舞曲(スケルツォ)を欠いた3楽章から成り立っています。第2楽章の中間部にスケルツォの要素が盛り込まれているので、緩徐楽章とスケルツォが一つの楽章にまとめられているとも考えられます。

第1楽章:Lento - Allegro non troppo
二短調のソナタ形式。
リストの前奏曲にも使われている動機(D-C#-F)が冒頭で用いられる。この重々しい動機が第1主題にもなっていて、テンポや調を変えてたびたび登場する。その合間にはのびやかなメロディが様々な楽器によって受け渡されていき、明るさを増してゆく。最後は冒頭の主題がしかしながら希望を満ちた全合奏で奏され締めくくる。
第2楽章:Allegretto
変ロ長調の複合三部形式による緩徐楽章で、中間部はスケルツォとなっている。
ハープと弦楽器のピチカートに、フルートやイングリッシュホルンの流れるようなメロディが絡み合っていく。再現部ではヴァイオリンがあわただしく動くスケルツォに乗って冒頭の滑らかなメロディが再現されるなど、フランクの見事な書法が表されている。
第3楽章:Allegro non troppo
ニ長調のソナタ形式による終楽章。
静かな第2楽章から一転して、フォルテシモの響きで始まる。歓喜に満ちた第1主題がチェロとファゴットから第1ヴァイオリンに受け継がれてゆく。第2主題は金管楽器によるコラール風の旋律で、オルガン奏者だったフランクの特徴が現われている。第1楽章の主題も登場するなど、循環形式の醍醐味が十分に味わえる楽章となっている。
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