平成19年度 市民プロムナードコンサート~どこかで聴いたクラシック~

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ短調 作品92

H19promパンフレットベートーヴェンは、9曲の交響曲を作曲しました。
この中で、表題がついているのは、3番「英雄」、5番「運命」、6番「田園」、9番「合唱」の4曲です。
演奏頻度も、この4曲がずば抜けて高いと思われます。
交響曲第2番、第4番もすごくすばらしい曲なのに、人気においては先にあげた4曲に譲ります。

さて、表題がついていない曲の中で、一番人気があるのはなんといっても、交響曲第7番でしょう。
クラシックファンには以前から人気があったのですが、昨年のテレビドラマ「のだめカンタービレ」の影響で、さらにその人気が高まったと言えます。

この曲は、最初から最後までとにかく「リズム・リズム・リズム」です。
第1楽章は、ゆっくりした序奏の後に続く主部ではひたすら「ターッタタン、ターッタタン」というリズムが曲を支配します。
第2楽章は、単純なリズムであり動きの少ない旋律ですが、色彩感豊かな和音がつけられております。
第3楽章はスケルツォで主部は躍動感あふれるリズムが聴かれ、第4楽章も最初から最後まで狂喜乱舞、熱狂的なフィナーレで曲を締めくくります。

ワーグナーはこの曲を「舞踏の聖化」と絶賛している一方で、ウェーバーは「ベートーヴェンは今やどうかしてしまったのではないか?」と言ったようですし、作家のロマン・ロランにいたっては「彼は酔っ払って作曲したのか?」とまで言いました。

リズムに身をゆだねるのもよし、「のだめカンタービレ」の最終回を思い浮かべるのもよし、楽しんでお聴きください。

プロコフィエフ:バレエ組曲「ロメオとジュリエット」より
<モンタギュー家とキャピュレット家> (冒頭)

「ロメオとジュリエット」はシェークスピアが書いた不朽の名作です。
音楽の世界にも、この戯曲に触発されて作られた作品がたくさんあります。
たとえば、ベルリオーズやチャイコフスキーにその作品があり、有名なミュージカルである「ウェストサイドストーリー」は、アメリカ現代版「ロメオとジュリエット」といえます。

本日は、プロコフィエフが作曲したバレエ組曲「ロメオとジュリエット」のなかから、「モンタギュー家とキャピュレット家」を演奏します。
実は、この曲は、ちょっと前まではテレビでよく流れていたのですが、どこで使われた曲かお分かりでしょうか。答えは、ステージ上で発表します。

ポンキエルリ:歌劇「ジョコンダ」より <時の踊り>

「時の踊り」は、ポンキエルリが作曲したオペラ「ジョコンダ」の第3幕に演奏されます。
オペラは、ジョコンダという歌姫が恋に破れ最後は悲劇に終わります。

「時の踊り」は、オペラでは第3幕第2場で演奏されますが、オペラのストーリーとはあまり関連がありません。
また、この曲だけ単独でコンサートピースとして演奏されることが多いようです。
曲自体は、非常にかわいらしい曲です。

ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」

ムソルグスキー作曲「はげ山の一夜」は、「聖ヨハネ祭(夏至の夜の祭)前夜、禿山に地霊チェルノボグが現れ手下の魔物や幽霊、精霊達と大騒ぎするが、夜明けとともに消え去っていく」というロシアの民話を元に曲が構成されています。
まさに、このストーリーが描かれているかのような音楽です。
実は、管弦楽の名手であるリムスキー・コルサコフが、ムソルグスキーの素材を再構成してオーケストレーションしなおしたものです。

「時の踊り」と「はげ山の一夜」の共通点は何でしょうか。
両方とも、ディズニーのアニメ映画「ファンタジア」に登場します。
「時の踊り」では、ダチョウ・カバ・ワニ・ゾウが踊りまくり、ちょっと不気味ではあります。「はげ山の一夜」では、先に述べた民話の通りの映像が流れ、夜明けの音楽のあとに、その後シューベルトの「アヴェマリア」につながります。

ヨハン・シュトラウス2世:美しく青きドナウ 作品314

ヨハン・シュトラウス作曲の「美しく青きドナウ」は、「この曲を知らないという人はまずいない」と言っても良いほど、最も有名なウィンナワルツではないでしょうか。
古くは、映画「2001年宇宙の旅」で使われ、近年でもCMで使われています。
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートでもお約束の曲で、団員の新年の挨拶を伴って演奏されます。

先日、N響アワーにゲスト出演していた歌手のさだまさし氏が「ワルツを聴いて怒るやつはいない」と言っていました。
聴いている人を、幸せな気分にさせてくれるものと信じています。

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