平成11年度 市民コンサート

プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」 ハイライト

H11年度市民コンサート パンフレットジャコモ・プッチーニ(1854-1924)は、イタリアの大作曲家です。
歌劇「蝶々夫人」は、彼の代表作であると同時に、イタリアを代表するオペラ(歌劇)です。
そして、皆さん意外に思うかもしれませんが、このオペラは日本を題材としています。

物語は、主役の蝶々さん(裕福な家に生まれたが、家が没落し芸者になった15歳の娘)、ピンカートン(アメリカ海軍士官)を中心に、スズキ(蝶々さんの小間使い)、シャープレス(長崎駐在アメリカ領事)などにより、明治初年の長崎を舞台に繰り広げられます。

ピンカートンは乗艦のエイブラハム・リンカーン号が長崎に寄港した際、結婚仲介人の紹介で蝶々さんと結婚しようとします。
シャープレスはピンカートンに誠意がないことを知って思いとどまらせようとしますが、彼はアメリカの船乗りは港々で気ままに恋をするものとばかり、結婚式をあげてしまいます。

彼らが結婚し、3年が経ちました。
その間にピンカートンはアメリカに帰り、蝶々さんは男の子を産みました。
しかし、彼からは何の音沙汰もなく、スズキは彼の愛情に疑問を抱き始めました。
しかし、蝶々さんは、あくまで彼が再び日本に帰ってくることを信じ続けています。
ここで歌われる有名なアリア「ある晴れた日に」は、蝶々さんのピンカートンを思い続ける気持ちを歌ったものです。

そんなある日、港にエイブラハム・リンカーン号が入港しました。
蝶々さんが彼を迎えるために部屋一杯にまき散らした花を見たピンカートンは、蝶々さんの思いに気付き深い後悔の念にかられ、その場にいたたまれず別れのアリアを歌って駆け去ります。
そこへ出てきた蝶々さんは、その場に残されたシャープレス、涙ぐむスズキ、そして見知らぬアメリカ婦人を見て、その婦人がピンカートンの妻であることを悟ります。

失意に沈む蝶々さんは子供に目隠しをし、自分は父の形見の短刀で自害してしまいます。
その時遠くから彼女を呼ぶピンカートンの声が聞こえますが、蝶々さんは力つきその場に息絶えてしまいます。

このオペラは3幕からなり、全曲の演奏には約2時間40分を要しますが、本日はその中から特に有名な曲を抜粋し、ナレーションを交えながら演奏会形式で演奏いたします。
少しでも、オペラの雰囲気を味わっていただけたら幸いです。

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