第18回 定期演奏会

マーラー:交響詩「葬礼」

第18回定期演奏会パンフレットこの曲は交響曲第2番「復活」の第1楽章のオリジナルといわれているが、最近では交響曲完成後に交響詩として新たに書き直したものであるという説もある。
基本的な曲の構成はあまり変わらないが若干小節数が多く、アーティキュレーションや音の強弱が違うところに特徴がある。
また、スコアを見ると「復活」では、コントラバスにコントラC(一点ハの2オクターブ下)弦が備わっていない場合、つまり5弦ベースでない場合には調弦して下げて弾くように指示がされているが、この「葬礼」ではその箇所の音符そのものが1オクターブ上で書かれているといった違いもある。

1900年に作曲者自身により次のような説明がされている。

「この交響曲の第1楽章を、私は Totenfeier(葬礼)とよびたい。それは、私の交響曲第1番の主人公の死を葬るものであり、葬られた彼の魂を更に高いところにおいて、清浄な鏡に映じさせようとしたのである。(後略)」

マーラーがこの曲を象徴的な葬送行進曲として書いたのは上記のとおりであるが、構成は提示部・展開部・再現部・コーダからなるソナタ形式をとり、特に冒頭に16分音符で現れる定弦楽器による第1主題が中核的な役割を果たし、展開部でのホルンの強奏によるモティーフ(グレゴリオ聖歌「怒りの日」から)が特徴的である。
交響曲の第1楽章としても独立した位置づけを与えられており、演奏する場合には第2楽章との間に少なくとも5分間の休止をおくよう指定されている。

相模原市民交響楽団でマーラーの作品を取り上げるのはこれがはじめてである。

チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調

チャイコフスキーは、その生涯で6曲の交響曲を作曲している。
これらの作品に共通していえることは、その構成ではドイツの古典派・初期ロマン派を規範にしており、その上にロシアの旋律をのせたとてもエキゾチックなことが特徴としていえよう。

交響曲第5番は、1888年8月に完成され、同年11月にペテルブルグにおいて作曲者自身の指揮で初演された。
現在でこそ、この曲の評価は確立されているが、初演当時は批評家から非常に保守的であるという批判を浴びて、作曲者自身も「ここには何か余分で雑多なもの、不誠実でわざとらしいものがあります。」と手紙に書いている。
しかし、その後演奏を重ねるにつれ人気が上がり、作曲者自身のこの曲に対する評価も少しずつ変化をみせ、多少の自信を取り戻したようである。

  • 第1楽章の導入部でこの曲の基本主題がクラリネットで演奏される。
    この主題は作曲者自身が「運命、神の摂理への完全なる服従」と呼んだものである。
    主部では、静かな弦楽器の伴奏に乗って、「運命の主題」を基にした第1主題が現れる。
    そして、経過句を経て第2主題が弦楽器と木管楽器で織りなすように演奏される。
    主部は、この二つのテーマが基になった自由なソナタ形式である。
  • 第2楽章では、低弦楽器の合奏から独奏ホルンで演奏される第1主題が提示される。これを引き継いでオーボエが第2の主題を示す。
    中間部では、これらの二つの主題で構成されるが、ときおり「運命の主題」が現れる。
  • 第3楽章は、スケルツォでもなくメヌエットでもなく、ワルツである。
    ドルチェ・コン・グラツィアと指示された優雅艶麗なワルツであり、夢の世界に入り込む。
    なお、「運命の主題」はここでも、楽章終わりに現れる。
  • 第4楽章は、主に弦楽器の合奏による「運命の主題」から開始される。そして、アレグロ・ビバーチェのホ短調の主部に入る。
    この主部では、最後の終結部を含めて3回形を変えて「運命の主題」が現れる。
    最後は、華々しいオーケストレーションで華麗に終結する。

相模原市民交響楽団では、チャイコフスキーの作品を数多く演奏している。定期演奏会でも、すでに交響曲4、5、6番を取り上げている。
交響曲第5番は第7回定期演奏会(1988年)に、当時の音楽監督であった小松一彦氏の指揮により演奏され、今回が二度目である。

pagetop
inserted by FC2 system