平成9年度 市民コンサート

グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調

H9年度市民コンサート パンフレットグリーグは1843年にノルウェイのベルゲンに生まれ、1907年に同地で没したノルウェイの代表的作曲家である。

このピアノ協奏曲はグリーグ25歳の時の作品で、劇音楽「ペール・ギュント」と並ぶ、グリーグの代表作品であるとともに、北欧的性格がよくあらわれており、グリーグの個性が美しく表現されている曲である。
今日、よく演奏されるピアノ協奏曲の一つであるとともに、作曲者自身が優れたピアニストであったため、ピアノ協奏曲として理想的なものといわれている。

シベリウス:カレリア組曲

カレリアとは、フィンランド東南部一帯を意味するカレリア地方のことで、フィンランド伝統文化の宝庫として、歴史的な雰囲気を豊かに残す貴重な地域であった。
シベリウスは、カレリア地方の学生協会から依頼を受けた、カレリア地方の歴史を題材とした野外劇のための付随音楽を9曲作曲し、その中から演奏会用として3曲に編み直したものが、このカレリア組曲である。

第1曲
インテルメッツォ(間奏曲)
ホルンの幻想的な主題に始まる行進曲風の音楽
第2曲
バラード
ほの暗い北欧風の雰囲気を表す音楽
第3曲
アラ・マルチア(行進曲風に)
2つの主題でロンド風に構成された有名な行進曲

シベリウス:交響詩「フィンランディア」

19世紀後半、フィンランドはロシア皇帝ニコライ二世の干渉を受け、事実上ロシアの圧政下にあるに等しい状況であり、芸術分野で国民主義の運動が盛り上がっていた。
表題に示すとおりこの交響詩は、美しい自然に囲まれた祖国への賛歌であるとともに、絶えず他の民族の支配に苦しめられてきた民族の叫びが込められており、当時の国民の愛国心に強く訴えて熱狂的な歓迎を受けた。

曲は、圧政を暗示させるかのような重苦しい導入部に始まり、アレグロモデラートで苦難に立ち向かうかのような力強い楽想が登場する。
やがて有名なコラール風の主題が美しく奏でられたあと、最後に激しく輝かしいクライマックスが築かれて終わる。

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