第16回 定期演奏会

ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調「田園」

第16回定期演奏会パンフレットこの曲は1807~1807年に作曲され、1808年12月22日にアンデア・ヴィーン劇場にて初演されました。
あの有名な交響曲第5番「運命」とほぼ同時期に作曲され、当初は番号が入れ替わっていました。
苦悩に満ちた「運命」とは対照的に、平安に満ちた曲です。
ロプコヴィツ侯爵とラズモフスキー伯爵に献呈されました。この二人は当時のベートーヴェンの活動を支えていた貴族で、彼らの他にもルドルフ大公、キンスキー侯爵といった貴族たちが彼を支えていました。

この「田園(PASTORALE)」という表題はベートーヴェン自身が命名したものです(他の表題は必ずしも作曲者自身が付けたものとは限りません)。
当時ベートーヴェンが住んでいたヴィーンの郊外、ハイリゲンシュタット付近の田園風景を題材としています。
ベートーヴェンはこの田園風景の中を散策するのがとても楽しみでした。

ところで、ベートーヴェンは生涯独身でした。
思いを寄せた女性の殆どが貴族出身で、身分の違いがあった上、彼自身の難しい性格も災いしたのかもしれません。
その相手としてブルンスヴィク伯爵令嬢、グイチャルディ伯爵令嬢などが知られています。

この曲は、5楽章構成で、第3楽章から第5楽章は切れ目なく、続けて演奏されます。

第1楽章
「田舎に着いたときの愉快な気分」
アレグロ・マ・ノン・トロッポ ヘ長調、2/4拍子
第2楽章
「小川のほとり」
アンダンテ・モルト・モト 変ロ長調、12/8拍子
第3楽章
「田舎の人々の楽しい集い」
アレグロ ヘ長調、2/3拍子、2/4拍子
第4楽章
「雷と嵐」
アレグロ ヘ短調、4/4拍子
第5楽章
「牧歌、嵐の後の喜びと感謝」
アレグレット ヘ長調、6/8拍子

プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」(抜粋)

あの有名なウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)の戯曲を題材にしたバレエ音楽で、1935~36年に作曲されました。
同じ題材の曲はチャイコフスキーやベルリオーズによっても手がけられています。

プロコフィエフは20世紀前半のロシアを代表する作曲家で、その人生は波乱に満ちていました。
同時期のロシアの作曲家、いや多くの芸術家たちの身の振り方については、末期の帝政ロシアそしてソヴィエト政権との関係抜きには語れないでしょう。プロコフィエフ自身も1918年、革命後の動乱の中、日本経由でアメリカへ亡命しています。
しかし、アメリカでは作曲家としてはあまり評価されず、もっぱらピアニストとしての演奏活動が中心でした。

「ロメオとジュリエット」は再びソヴィエトに戻った後に書かれた作品で、「古典交響曲」「ピーターと狼」「キージェ中尉」などと並ぶ彼の代表作の一つです。
当初は、原作とは異なりハッピーエンドとなっていましたが、その後、原作に沿った筋立てで組曲版に改訂し、1938年、チェコのブルノ劇場で初演を行い、成功を収めました。
後に、終曲を書き足して現行の構成となり、1940年にレニングラードのキーロフ劇場で行われた上演は大成功でした。

「ロメオとジュリエット」の原型はギリシアの伝承にまでさかのぼります。
これを基に1554年、マテオ・バンデルロが散文のフランス語訳を完成させ、後にアーサー・ブルックが英訳の長編詩を作りました。
この「ロメオとジュリエットの悲恋物語」を基にしてシェイクスピアは戯曲を書き上げたのです。

このバレエは52曲から成っていますが、今回は、その中から特に有名な18曲を選び、物語の順に沿って演奏します。
舞台はイタリアのヴェローナ、モンタギュー家とキャピュレット家という仲の悪い両家の一人息子ロメオと一人娘ジュリエットが叶わぬ恋に落ちてしまう話であります。

  1. 導入曲

    第1幕の前に演奏される曲です。

第1幕

早朝のヴェローナの街をロメオがさまよっている場面から始まります。

  1. 朝の踊り

    ロメオが立ち去った後、人々が集まり踊り始めます。
    そこへキャピュレット家の召使たちが現れ、しばらくしてモンタギュー家の召使たちが登場します。両家の召使たちは口論を始め、やがて喧嘩となります。

  2. 決闘

    そこへモンタギュー家の甥ベンヴォーリオが来て、仲裁しようとしますが、キャピュレットの甥ティボルトが現れて、ベンヴォーリオを挑発し、二人の決闘が始まります。これに伴って、両家の召使たちの喧嘩もエスカレートします。

  3. 太守の宣言

    ヴェローナの太守が登場し、喧嘩をやめさせます。

  4. 少女ジュリエット

    ジュリエットの心情が描写されます。
    やがて両親が登場し、貴族パリスとの結婚を命じます。

  5. 客人たちの登場

    キャピュレット家の舞踏会へ出向く賓客たちが登場します。

  6. 仮面

    友人マーキュシオに誘われて、ロメオは仮面をつけてキャピュレット家の舞踏会へと忍び込みます。

  7. 騎士たちの踊り

    舞踏会の客である騎士たちが踊っています。ジュリエットの望まぬ相手であるパリスとぎこちなく踊ります。重々しい雰囲気の曲です。

  8. バルコニーの情景
  9. ロメオのヴァリエーション
  10. 愛の踊り

    有名な場面です。バルコニーから姿を現したジュリエットに、ロメオが語りかけます。弦楽器の静かなトレモロで始まり、次にヴァイオリンとヴィオラの二重奏となります。二人の会話が続き、曲は愛の踊りへと移ります。
    『バルコニーの情景』から『愛の踊り』までの3曲は続けて演奏されます。

第2幕

  1. フォークダンス

    広場はカーニヴァルで賑わい、人々は楽しそうに踊っています。
    この後、ロメオはローレンス僧に二人の愛を告白し、助けを求めます。

  2. ティボルトとマーキュシオの決闘
  3. マーキュシオの死

    キャピュレットの甥ティボルトとロメオの友人マーキュシオが街中で出会い、口論となり、やがて双方が剣を抜いて決闘へと発展します。
    後から来たロメオが止めに入りますが、マーキュシオは殺されてしまいます。

  4. ロメオはマーキュシオの死の報復を誓う
  5. 終曲

    友人マーキュシオを殺されたロメオは、ティボルトに決闘を挑み、見事に倒します。
    しかし、そのことによってロメオは太守から、ヴェローナの街からの追放を命じられます。

第3幕

パリスとの結婚が避けがたいものとなり、思い詰めたジュリエットはローレンス僧に相談します。ローレンス僧は一計を案じ、仮死状態になる薬を渡します。
ジュリエットが墓地へ運ばれた後、目が覚めてロメオと待ち合わせ、街を出るという段取りで。

  1. ジュリエットの死

    ローレンス僧からもらった薬を飲んで仮死状態となったジュリエットは、計画通り、周囲の人々から死んだものと勘違いされ、葬式となります。

  2. ロメオの死

    仮死状態のジュリエットの傍らで、彼女が死んだものと思い込んだロメオは後追い自殺し、その後、目を覚ましたジュリエットもロメオの死を悼み、今度は本当に死んでしまいます。
    そこへローレンス僧が駆けつけ、やっと一緒になれた二人の亡骸の前で両家を和解させます。

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