第15回 定期演奏会

リスト:交響詩「レ・プレリュード」

15th定期パンフレット「ピアノの魔術師」と呼ばれ、ピアノ奏者としても名声を博したハンガリーの作曲家です。
その天才ぶりは7歳の時にバーデンで舞台を踏むことで、当時の貴族たちに披露されました。
リストは多くの作品を残しましたが、編纂者によって作品番号がまちまちな為、現在では作品番号を表記しないのが普通です。

この曲はピアノはありませんが、楽譜の上には魔術師らしさが満遍なく散りばめられています。
優雅な部分と激しい部分とが交互に現れる変化に富んだ曲です。
1848年に作曲され、同じ年にヴァイマール宮廷に指揮者として迎えられました。

実はこの曲、伊丹十三監督のラーメン屋を舞台にした映画「タンポポ」で使われていたのです。最後に大型タンクローリーが去っていく場面、なかなか良かったですね。

余談になりますが、リストの出身国ハンガリーの現地語(マジャール語)による国名はマジャールオルサーグ(Magyarorszag)と言います。
この国の人名は日本と同じように、苗字が先にきますから「フランツ・リスト」ではなく「リスト・フランツ」となります。ちなみに、曲名 Les Preludes はフランス語です。

ベートーヴェン:交響曲第1番 ハ長調

ベートーヴェンの時代まで、作曲家たちは王侯貴族のお抱えが普通でした。
それまで限られた階級だけのものだった管弦楽が宮廷を飛び出し、現在のように我々がごく当たり前に接することができるようになる基礎を築いた一人がベートーヴェンで、その記念すべき第1交響曲が今回演奏されるこの曲です。

パトロンの注文などという制約が軽減された作曲家たちは従来よりもはるかに自由な発想で曲作りに励み、その後、西洋音楽は飛躍的な進化を遂げることとなりました。当時30歳だったベートーヴェンは、ハイドン、モーツァルトの影響を色濃く残しながらもメヌエット楽章をスケルツォに替えた(表示はメヌエットだが)ことなど、それまでには無かった手法を随所に導入しています。

初演は1800年4月2日、ウィーンのブルク劇場にて作曲者自らの指揮によって行われました。この時、既に聴力は失われ始めていました。

余談になりますが「ヴァン・ヴェートーヴェン」という名前はオランダ語で、正しい発音は「ファン・ベートホーフェン」となります(実はドイツ語でもそう発音する)。
その名のとおり、彼はオランダ系ドイツ人で、名前は先祖が住んでいた村、フランドル地方のベッテンホーフェンに由来するそうです。

第1楽章
アダージョ・モルト ~ アレグロ・コン・ブリオ ハ長調、4/4拍子
第2楽章
アンダンテ・カンタービレ・コン・モート ヘ長調、3/8拍子
第3楽章
メヌエット、アレグロ・モルト・エ・ヴェヴァーチェ ハ長調、3/4拍子
第4楽章
アダージョ ~ アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ ハ長調、4/4拍子

ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」

この曲は、当初、ピアノ曲として作曲されたものを、1922年にフランスの作曲家モーリス・ラヴェルがオーケストラ版に編曲したものです。
その編曲を依頼したのが、当時活躍した異色の指揮者、ロシアのセルゲイ・クーセヴィツキーでした。
この編曲によって、「展覧会の絵」は原曲よりもオーケストラ曲として有名になってしまいました。

ムソルグスキーはリムスキー=コルサコフなどと並ぶロシア五人組の一人で、「はげ山の一夜」「熊蜂は飛ぶ」「蚤の歌」といった数々の名曲を残しています。

ムソルグスキーが生きていた頃、ヨーロッパの美術界は印象派の時代で、ベートーヴェンの時代に管弦楽が大衆にもたらされたように、美術が本格的に大衆のものとなっていった時代です。
このころ活躍した画家にミレー、ルノアール、ドガ、ゴッホなどがいます。

この曲は、ムソルグスキーが親友である画家ハルトマンの死を悼み、遺作展の印象を基に書いたもので、その友人の絵のうちの10枚が題材となっています。
どうか、ごゆっくりご覧ください。

尚、この曲はラヴェル以外にも指揮者のストコフスキーなどによるいくつかの編曲版があります。
興味のある方は探してみてはいかがでしょうか。

  • プロムナード ~ 小人
  • ~ プロムナード ~ 古城
  • ~ プロムナード ~ テュイルリーの庭、牛車

    牛車の原題は Bydlo となっていますが、本来、これに牛車という意味は無く、強いて訳すなら「牛の群れ」となるそうです。

  • ~ プロムナード ~ 殻を出きらないでいる雛の踊り
  • ~ サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ

    金持ちのサミュエル・ゴールデンベルクと貧乏なシュミュイレの言い争いを描いた場面です。

  • ~ リモージュの市場 ~カタコンベ

    リモージュの市場での喧噪を描いています。
    カタコンベとは教会の地下墓所のことです。

  • ~ バーバ・ヤーガの小屋

    ロシア民話に登場する妖婆バーバ・ヤーガの、鶏の脚の上に建つ小屋を描いています。

  • ~ キエフの大門

    ハルトマンがキエフ市から設計を依頼された門の完成予想図とも言えるものです。結局、実現はしませんでした。

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