平成6年度 市民コンサート
ビゼー:歌劇「カルメン」より
このオペラは、1820年代のスペインのセビリャを舞台に、タバコ工場で働く妖艶なジプシー女カルメンに魅せられ、兵営を抜け出し彼女のいるジプシーの群に身を投じた伍長ドン・ホセと、闘牛士エスカミーリョとの三角関係を扱った恋物語である。
コンサートでは、オペラの中の数曲を管弦楽曲に編曲し、管弦楽組曲の形で演奏されることが多いが、本日は、特別にカルメンとホセに御登場頂いてオペラの中から特に魅力的な曲を7曲選んで演奏する。
- ハバネラ
- カルメンが自由奔放に恋する自分の生きざまを歌う有名なアリア。
- ジプシーの歌
- 酒場でジプシーの楽想と踊りに誘われ、カルメンが仲間と歌い踊るときの曲。
だんだんテンポを速めて熱狂的に盛り上がって終わる。 - 殺しの場面
- かつてはホセを愛したが、今はエスカミーリョに夢中のカルメンと、よりを戻そうとするホセとの激しいやりとりがある。
しかし、もう2度とカルメンは自分を愛してはくれないと悟ったホセは、思いあまって彼女を刺してしまい、オペラは悲しみのうちに幕を閉じる。
ビゼー:組曲「アルルの女」より
「アルルの女」はフランスの作家ドーデ(1840-1897)の戯曲の上演に際し、劇の付随音楽として作曲された。
物語は、カマルグの旧家の長男フレデリが、ある日アルルの町で知り合った一人の女性に恋をしてしまうことから始まる。
しかし、その女には情夫がいることが判り、彼は諦めて幼なじみのヴィヴェットとの結婚に同意。
しかし、ある日、アルルの女が情夫と駆け落ちすることを聞いた彼は、嫉妬に狂い、その夜養蚕室の窓から身を投じ命を絶つ。
本日は、第1・第2組曲の中から特に有名な5曲を選び、物語にそって演奏する。
- 前奏曲(第1組曲より)
- プロバンス地方の民謡「三人の王の行進」が力強く演奏され、中間部ではサクソフォーンにより、「白痴の動機」が演奏される。
最後は、フレデリの「苦悩の動機」が中心となる。 - パストラール(第2組曲より)
- プロバンス太鼓を加えたこの地方独特のリズムに乗った、民謡風の軽快な旋律。