第13回 定期演奏会

ベートーヴェン:「エグモント」序曲

13rd定期パンフレットこの曲は、ゲーテの悲劇「エグモント」を上演するために作られた付随音楽(序曲および9曲の劇中音楽)の一部です。

物語は、スペインのフィリップ二世の圧政下にあったネーデルランドの独立を図るも、アルヴァ大公の裏切りにより、断頭台の露と消えた悲劇の英雄エグモント伯の一生を描いたものです。

曲は陰うつな序奏に始まる。
最初の弦による動機は恐怖政治の圧迫感を、続いて現れる木管の旋律は英雄エグモントの苦悩を表すとされている。
ソナタ形式によるアレグロの主部が続き、ヴァイオリンの強烈な下降音(斬首の描写とも言われているがその真意は定かではない)の後、エグモントの死を意味する、自由を讃えた力強く溌刺たる音楽が高らかに響いてクライマックスを築く。

シューマン:交響曲第4番 ニ短調

一般的に、シューマンのオーケストラ書法は、ベートーヴェンなどの立体的・建築的構成法に比べ、平面的でやや問題があるといわれています。
しかし、それにもかかわらず生涯に残した4曲の交響曲はいずれも名曲として、今日でもよく演奏されています。

中でも最高の傑作とされるこの曲は、第1番「春」に続く2曲目の交響曲として1841年に作曲され、同年ライプチヒで「交響的幻想曲」と題して初演されました。
しかし、この時の評判は芳しくなく、シューマンは出版をあきらめ、10年後の1851年にオーケストレーションに手を加えた改訂版を交響曲第4番として出版しました。
初演は1853年にデュッセルドルフでシューマン自身の四季により行われました。

曲は以下の様な4楽章から成っているが、実際には全曲切れ目なく演奏され、単一楽章的な性格を持つ。

第1楽章 ― かなり遅く~生き生きと
3/4拍子の序奏部と「生き生きと」と記されたソナタ形式の主題部から成る。
第2楽章 ― ロマンツェ(かなり遅く)
オーボエと独奏チェロが哀調をたたえる第1部、弦楽器のメロディーを独奏ヴァイオリンが装飾する第2部、そして第1部の再現部の3部形式
第3楽章 ― スケルツォ(生き生きと)
荒々しい主題が繰り返される。
レガートで流れるような美しい中間部を経て、第4楽章へ導かれる。
第4楽章 ― おそく
第3楽章の最後の和音をもって、直ちに4楽章の序奏部が始まる。
全体的に力強い楽章であるが、特に後半はテンポを速め、勝利を歓呼するかの如く曲を締めくくる。

グラズノフ:バレエ音楽「四季」

「四季」というとビバルディの「四季」やチャイコフスキーの「四季」を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、本日はバレエ音楽の傑作グラズノフの「四季」を取り上げてみました。

グラズノフはチャイコフスキー(1840-1893)の影響を強く受けたロシアの作曲家で、バラキレフ、ムソルグスキー、R. コルサコフのロシア国民主義音楽の後継者となった人物です。

「四季」は1900年ペテルブルグのマリンスキー劇場で初演されましたが、これはかつてチャイコフスキーの「眠りの森の美女」や「くるみ割り人形」の振り付けを行ったハリウス・プチパの依頼によるものでした。

この曲は全1幕4場のバレエ曲で、ストーリーはもたないが、ロシアの四季を擬人化したものであり、標題音楽と抒情的な作風に優れたグラズノフの特長がいかんなく発揮された名曲です。

第1場「冬」
冬の寒い風を表すような序奏があり、やがてフルートのソロで幕はあく。
冬は4人の従者(霜・氷・霰(あられ)・雪)を従えて登場。
4つのバリエーションでそれぞれが踊ったあと、ハープのグリッサンドで丘は花につつまれ始め、第2場「春」へと続く。
第2場「春」
短い春はバラと小鳥たち、そしてそよ風の踊りでのどかに描写される。
第3場「夏」
麦穂、ケシとヤグルマギクたちの踊りの後、水の精たちが現れ「舟唄」がハープの伴奏する弦の美しいテーマで始まる。
ついで牧神の吹く芦笛、花、麦の葉、森の精などが入り乱れて踊る。
第4場「秋」
ロンド風の急速な音楽「バッカナール(酒神祭の踊り)」で始まる。
四季のすべての登場場面が現れ、木枯らしを暗示した後、終曲ではバッカナールのテーマが回想され、最後は自然と生命力の素晴らしさを讃えるかのように、力強い音楽で結ばれる。
pagetop
inserted by FC2 system